歯石除去の回数が最大6回?でも実はそれ以上だった!その理由を歯科衛生士が解説します

今回は、歯石除去ってなんで6回もするの?を解説していきます。

歯医者さんでこんなこと言われたことありませんか?

『歯周病が進んでいるので歯石取りに後6回ほどかかります』

え?めっちゃ多くない?ってか、その理由はなんなのよ!と、疑問に思いますよね。

(理由がわからず、言われるがままの方が多いみたいです)

正直に言っちゃうと、保険治療の流れでそうなってますというのが実際のところです。

えwそんな理由?結局お金ですか?と声が聞こえてきそうですが(笑)

でも、誰にでもするわけではありません。なんなら、2回で終わる方もいます。

その回数には本当の理由があるので、詳しくお話ししていきますね。

①まずは歯全体を2回に分けて歯石取り

コレはどの方にもやります。

歯石がついていなくても、歯磨きで取り切れていない汚れ(プラークなど)や着色汚れなどキレイにして、虫歯・歯周病を予防します。

たまに2回目の歯石取りの時に、『前回したところももう一度やりますね』なんて言う場合があります。

(言われたことある人多いんちゃうかな?)

これは前回やったところの歯ぐきが引き締まり、歯ぐきの中についていた歯石が浮いてくる事があります。

もちろんこの歯石もきちんと取らないといけないので、もう一度やることを伝えます。

(また、歯ぐきの状態もチェックするんですよ)

2回目にやった時に、まだ歯石が浮いてきそうと予測ができた時は、再度来院していただきもう一度全体をキレイにします。

要は、虫歯・歯周病の元になる汚れを全て取っちゃうという考えですね。

理由を聞かれた事がない方は、納得していただけました?

お金取ったろ(ぐへへ)な感じではないですからね(笑)

 

②歯周病の状況で最大6回の歯石取り

先ほどの2回の歯石取りの後、歯周病が進行している方は歯ぐきの中の歯石も取ります。

(これが最大6回かかるという部分ですね)

まず、歯周病がどれだけ進行しているのか歯ぐきの検査をします。

(歯ぐきがチクチクして、3とか4とか数字をいうやつですw)

アレは、歯と歯ぐきの境目に器具を入れて、深さを測っています。

 

 

 

 

 

 

(こんな感じにしてます)

この深さで、歯周病の進行具合がわかります。

健康な歯ぐきであれば3ミリ以内、歯周病になっていると4ミリ以上の深さになります。

このようにして全体を検査し、悪いところの汚れをとっていきます。

一度にはできないルールになっているので、歯全体を6分割して順番にとっていきます。

(患者さんの負担にならないように、歯ぐきの状態も観察する意味も込められてると考えています)

 

 

 

 

 

 

こんな感じに分けてやるんですよ。

(患者さんと向かい合って見たままを書くので、左右が反対になっています)

歯周病が全体に広がっている場合は6回、なっている箇所が少ないなら2〜4回で汚れをとっていきます。

段々、6回やる理由が解明されてきました?

しかし・・・実は、この先があるんです。

えー!!!!なんてことだ!!!(どっかの芸人さんみたいw)そのショッキングな内容を次にお話ししますね。

 

MEMO

始めの2回の歯石取りの前にも、現在どんな状態なのか歯ぐきの検査をします。

ここでやる歯ぐきの検査は、その2回の歯石取りでどれだけ改善できたかもチェックします。

検査のやり方はどちらも同じです。

③実は6回で終わらないこともあるんです!

え?6回で終わりって言いましたやん!と、突っ込みたいところですよね(笑)

そうなんです。実はその先があるんです。

(歯医者に行くの途中でやーめよと言わないで下さねw)

最大6回かかるというのは、悪いところを取り切るのにかかる回数です。

これをやったので、はい終わり!にはなりません。

最後の歯石取りから、約1週間後もう一度歯ぐきの検査をするんです。

この検査で、どれくらいの期間で歯周病の状態をチェックしていくか決めます。

もし、改善がみられないようだったら、歯ぐきの中に歯周病菌を殺菌するお薬を入れたりしていきます。

(歯科医院によってはやっていないところもあります)

私が働いていたところでは、それを1週間に1回を4回やってました。

その後に、もう一度歯ぐきの検査です。

この検査結果で、どのくらいの期間でチェックするか決めていきます。

6回やった後に、さらに1ヶ月かかるなんて途方にくれちゃいますよね(汗)

歯周病はひどくなればなるほど、一気に状態が改善するという事が難しいんです。だから、これだけかかちゃいます。

MEMO

このやり方以外にも、もう少し歯石取りで様子を見たり、抗生物質を飲んで様子を見たりする歯科医院もあります。

治療方針は歯科医院によって様々なので、1つの治療法として参考程度に思ってください。

まとめ:歯周病治療は長期戦!

歯石取りがなぜ最大6回もあるのかお話ししました。

ってか、6回以上やん!って思われた方も多いと思います。

正しい答えは、歯周病が進んでいるところの歯石取り回数が6回ですね(笑)

治療の流れをまとめると・・・

  1. 現在の歯ぐきの状態を検査
  2. 全体を2回に分けて歯石取り
  3. 歯ぐきの検査(ここで問題なければ終了)
  4. 改善されていないところは、歯ぐきに中の歯石取り(最大6回)
  5. 歯ぐきの検査(ここで問題なければチェックしていく期間を決める)
  6. まだ改善されていないところは、薬などを使って治療
  7. 歯ぐきの検査(ここで問題なければチェックしていく期間を決める)

※6と7がない歯科医院のところもあります

最終的には半年から1年かかる事がほとんどです。

これを読んで、歯周病治療中に方は『もうやだ!!結局終わりが見えない・・・』と感じられたかもしれません。

しかし、途中でやめてしまうと歯周病は少しずつ進行していくので、自然に歯がポロッと抜けちゃった・・なんてことにもなる可能性があります。

それでは今まで頑張ってこられたのが、水の泡になっちゃいます。

時間はかかりますが、今ある歯をできるだけ長く保つために治療は受けて欲しいです。

やっぱり自分の歯で食べるのが美味しいですからね。

頑張ってください!応援してます!影からこっそりとw(怖いわw)

 

では、今日はこの辺で。

最後まで読んでいただきありがとうございました!